ゴトゴト揺れるおと
久しぶりに電車に乗った。
自分で運転する車と違って、連れて行ってもらう感じが良い。
ゴトゴト揺れるおとが流れ、流れていく雲を眺める。
流れに身を任せる、その時間が心地良い。
目的地に着きたい気持ちとまだ乗っていたい気持ちが
ゴトゴト揺られている。
博多に降り立つと、都会のおとが待っている。
そのおとに包まれながら、都会に染まっていく。
それはそれで楽しいもんだ。
ヒールのついた靴を買い直した。
お祝い事や都会に行くときくらいしか出番はなさそうだけど、笑。
スニーカーを履く私。
ヒールを履く私。
どっちも私だよ。
あのとき、私は身にまとっているものの中を見ようとしなかった。
目を逸らしていた。
ゴトゴト揺れるおとに身を任せた。
それで良かった。きっと良かった。
そう言い聞かせながら、
またゴトゴト揺られて帰ってきた。
そして、和やかなおとが待っていた。
そのおとに包まれて、気がつくと身を委ねていた。