家具だけじゃないじゃん
極力、場所が近いか、気持ちが近しい人としか仕事をしないようにしている。
今日は場所は遠いけど、気持ちが近しい(と思ってる)彼女と。
移住した彼女と地元の方と打ち合わせ。
その方は、大川で育ち家業を継いだという軸と、外を経験した柔軟さが、
(年齢もあるのかもしれないけど)うまいことマッチしていた。という印象。
田舎でくくることができる地方の仕事をしていると、
興味深い人たちに会うことがあるなー…。
さて、
足早に、少しだけ、大川市を案内してもらった。
「家具のまち」でもあるけど、
江戸の町並みが残る小保(こぼ)・榎津(えのきづ)地区というのがあって、漆喰で塗られた壁や瓦屋根、藩境の石列などが観られる。
景観が統一されていないのだけど、
その統一されてない感じと「残したまま」という感じが、なんだか良くて。
創られたまちという緊張感がないのが良かったのかな。
江戸の建物だけでなく、木工場、建具屋さん、古民家リノベされたお店、民家が並ぶ。
ある個人宅を紹介してくれた。
築200年は経っているというのに、傷んでると全く感じないくらいに
しっかりと美しい。
家主であるおばあちゃんが(おじいちゃんと住んでいる)、
手を加えてないと言う。
ほんとかなー?って疑っちゃうほど、印象深いお家だった。
昔の建物は、ガラス戸の木枠がかわいい。
手がゆき届いている中庭。
時間的にも、あんまり写真を撮れなかったけど、
中二階があったりして、建物の造りもおもしろそう。
広い土間スペースに、
春に行われる「藩境まつり」というお祭りの写真が貼られている。
なんだか、津屋崎のよっちゃん祭に似てて親近感あるよ!
急な訪問でも柔らかく招き入れてくださいました。
「またいつでもおいで」
と、見送られる。
最後に、謎なものがあって、足を留める。
「べたべたくっぞこ通り」…?
その昔、べたべたくっぞく、という妖怪が出たという話だそう。
べたべたした妖怪が足首に巻き付いてくるそうで…。
道のあらゆるところの足元に、妖怪がたくさん。
遊び心があって、テンションあがっちゃった!
木工だけじゃないじゃん。大川市。
どこの町でも、
歴史があって、
自然があって、
美しさがあって、
そこに、
生活がある。
守っていこうとする人、進んでいこうとする人、育んでいこうとする人、毎日を送っている人…いろんな人がいる。
「何もないけんね」
という、言葉の裏には、
たくさんの思いや愛が詰まってるんだよね。きっと。